5 月下旬に発売予定の D3200 は、Nikon のラインナップとしては入門機に位置している。その入門機に対して 2400 万画素のセンサーを搭載する意図を考えたとき、ちょっとした転換期を迎えているのかなと思った。
ネットでの人々の反応を見てみると、高画素競争の再来として捉える人が多いようで(笑)、おおむね否定的であるように見える。そりゃあ、Nikon の今までのラインナップの中では 2400 万画素なんて D3X くらいだったので、いきなりドカンと画素数が増えるとは思わなかったのだろう。
入門機にこれだけの画素数が必要なのかどうかを考えると、必要なのかもしれないと思った。
と、言うのも、このクラスのカメラを買う層というのは、けっこうトリミングを活用するのかなと。
たとえばこのカメラで子供の運動会を撮ろうとしたとき、たとえ 300mm クラスを使ったところでも、まだ足りないというケースがあるかもしれない。
家族で動物園に行ったとき、もっと大きく動物を写したいと思うかもしれない。
撮った写真の構図が気に入らないとき、トリミングをしてから SNS にアップするかもしれない。
そう考えると、画素数はあればあったほうが後々よろしいと思われる。
あとからトリミングしまくることに抵抗を感じるかもしれないが、おそらくこれが Nikon の出した回答なのだと思う。
ところで、写真をプリントする際に「四切」だとか「六切」というのがある。
プリントしたことがある人はご存じだろうが、35mm のアスペクト比ではだいぶ切れてプリントしなければならない(笑)。
何なんだよこのサイズは!ってことで、以前、写真屋さんに聞いたことがあったが、そもそも「四切」だとか「六切」だとかというのは、あれは大きな印画紙を切ってあの大きさにするものだったらしい。で、結果的に四つとか六つに切るとあのサイズになったのだとか。
用紙がそうなっているので、「昔はトリミング前提で撮っていた」ということをおっしゃっていた。
構図、という概念自体が覆されるような話だ。
しかし、このまま高画素化が進んでいけば、間違いなく構図の概念自体も変わってくるのだろう。そして、後から被写界深度を変えるということも当然でてくるだろうし。本当に、シャッターを切るだけで、あとは撮った後にどうにでもなる時代が来るのかもしれない。
まぁ、そんなことになったら、写真というのはとてもつまらない趣味になってしまうだろうけれどね。
入門機に高画素センサーを投入する意味。
考えてみると、いろいろとうかがい知ることができる。